脂肪細胞とは?
僕たちが普段言っている「脂肪」というものは何なのでしょう?
その疑問について解説していきます。
体脂肪には、2種類あります。
「褐色脂肪細胞」(かっしょくしぼうさいぼう)
と
「白色脂肪細胞」(しろいろしぼうさいぼう)
です。
褐色脂肪細胞というのは、特別な脂肪です。
全身にあるわけではなく、限られた部分にしかありません。
背中の肩甲骨のまわり、首の後ろ、脇の下、心臓のまわり、腎臓のまわり、などにあります。
褐色脂肪細胞は、寒いときに、熱を発します。
体温を保つ働きがあるのです。
また、食べ過ぎたときに、熱を発散してくれます。
つまり、褐色脂肪細胞は、カロリーを消費してくれるのです。
褐色脂肪細胞は、ダイエットをする人にとって、とってもありがたい脂肪なのです。
褐色脂肪細胞は、生まれたときには100g〜150gほどありますが、大人になると40gほどに減ります。
基本的に、その後増えることはありません。
白色脂肪細胞は、ダイエットをする人が必死になって無くそうとしている脂肪です。
通常、僕たちが言っている「体脂肪」というのは、この白色脂肪細胞のことです。
白色脂肪細胞が、太ったりやせたりするのに関係のある脂肪なのです。
白色脂肪細胞の数ですが、これは、増えることはあっても、減ることはありません。
増えても減らないのです。
では、「やせる」ということはいったいどういうことなのでしょう?
「やせる」ということは、この白色脂肪細胞の「大きさ」が小さくなっていくことなのです!
太っている人がやせるのは、白色脂肪細胞の数が減るのではなく、小さくなる、ということなのです!
白色脂肪細胞の中には、「油滴」という、脂肪を溜め込む倉庫のようなものがあります。
「やせる」ということは、この「油滴」という脂肪の貯蔵庫が小さくなる、ということなのです。
ですから、いくらやせたとしても、白色脂肪細胞の数は、減らないのです。
白色脂肪細胞の数が増えやすいのは、
・ 胎児期(お母さんのお腹の中の状態)
・ 生後1年間
・ 思春期
・ 中年期
と言われています。
それ以外の時期でも、食べ過ぎや運動不足などで、白色脂肪細胞は増えることがあります。
余談ですが、思春期に脂肪が増えやすいからといって、10代の女性が極端なカロリー制限をしたりすると、女性ホルモンの分泌に影響があります。
女性らしい身体つきの発現とその維持や、月経に関わる女性ホルモン、「エストロゲン」というものが、女性の体には分泌されています。
しかし、女性の体にも、男性の特徴が現れるように刺激する「アンドロゲン」という男性ホルモンがあります。
体脂肪は、アンドロゲンをエストロゲンに変える働きをします。
女性の体脂肪が少ないと、体では、男性ホルモンが活発になってしまいます。
女性は、エストロゲンの活動が抑えられたりアンドロゲンが活発になったりすると、月経に異常がでてきます。
そして、成長期(とくに10代)の女性では、女性らしい身体つきが作られることにも悪影響が出たりします。
女性、特に成長期の女性がダイエットをするときには、極端に体脂肪を減らし過ぎないように、注意が必要です。
(女性は体脂肪率が15%以下になると、月経が不安定になると言われています)