有酸素運動
有酸素運動というのは、ご存知だとは思いますが、走ったり、自転車をこいだり、ゆっくり泳いだりするようなことです。
有酸素運動は、体脂肪を燃やすのに効率がいいです。
有酸素運動を継続して行うことにより、「3種類の筋肉」の記事で紹介したFO筋・FG筋・SO筋の3種類のうち、SO筋が鍛えられます。
SO筋を鍛えると、運動時に脂肪を燃やしやすい体になってきいきます。
また、有酸素運動は、内臓脂肪を優先的に燃やしてくれるという、嬉しい効果もあります。
ただし、有酸素運動を3ヶ月ほど継続していると、基礎代謝量が減ります。
少ないエネルギーでも体を動かせるように、やりくり上手な省エネ体質になっていくのです。
ただし、この低下分は微々たるものなので、気にする必要はありません。
SO筋が鍛えられることによって、運動時に脂肪が燃やしやすい体質になっていく、ということのほうが重要です。
体脂肪は、運動し始めてから20分経過してからやっと燃え始めると言われています。
それはなぜかというと、リパーゼという脂肪分解酵素に関係があります。
運動などの刺激によって、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが脳から分泌されます。
それらのホルモンは、リパーゼを活発にしてくれます。
活性化したリパーゼが、脂肪をグリセロールと脂肪酸に分け、それが血中に放出され、筋肉に運ばれ、はじめてエネルギーとして利用されるのです。
そのリパーゼを活性化させてくれるホルモンが分泌されるまでには、20分程度の運動が必要になるのです。
つまり、1時間走ったとしても、40分ぶんのエネルギーしか体脂肪からは使っていない、ということになります。
しかも、運動を始めて20分後からの使用エネルギー全てが、体脂肪から利用されるとは限りません。
体脂肪を燃やすのは、なかなか大変なことなのです。
運動し始めてから20分たってからでないと、体脂肪は燃え始めない、と書きましたが、実は、20分運動しなくても脂肪は燃えます。
たとえ5分だけ走ったとしても、脂肪はちゃんと燃えるのです。
その燃えている脂肪というのは、はじめから血液中に流れている脂肪です。(遊離脂肪酸)
やはり、体脂肪がまとまってエネルギーとして使用されるには20分程度の運動が必要になります。
ただ、「少ない時間の運動でも脂肪は燃えているんだ」ということを知っておくと、わずかでも運動する気になるのではないかと思います。
ここですばらしいニュースがあります!
カロリーの制限や有酸素運動などによって分解された脂肪は、筋肉細胞内のミトコンドリアで燃やされます。
なんと、有酸素運動の継続は、ミトコンドリアのサイズを大きくするのです。
つまり、有酸素運動の継続は、脂肪を燃やしやすい体を作ることになります。
そして、有酸素運動は主に脂肪をエネルギー源とします。
この相乗効果によって、有酸素運動は脂肪を燃やしていくのです。
ただし、そのためには、週に3回以上の継続的な有酸素運動が必要と言われています。
有酸素運動で体脂肪燃焼を効率よく行うには、先に筋トレをしてから有酸素運動を行うことです。
筋トレをすることで、上記したように、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、脂肪分解酵素リパーゼを活性化します。
活性化したリパーゼは、体脂肪をグリセロールと脂肪酸に分け、それらが血中に放出されます。
つまり、筋トレを行った後は、脂肪がエネルギーとして使える状態で血液中に放出されているのです。
そこで有酸素運動を行えば、はじめから脂肪をエネルギーとして使ってくれる、というわけです。
筋トレ → 15分程休憩 → 有酸素運動
という流れが、体脂肪を燃焼させやすい運動パターンです。
※血液中に放出されたグリセロールと脂肪酸は、エネルギーとして使われなければ、再び体脂肪として蓄えられます。
また、運動前にカフェインを摂ると脂肪が燃えやすくなると言われています。
有酸素運動前には、コーヒーを飲むのも良いかもしれません。
(ただし、ブラックに限ります)