普段運動不足な方の運動
普段運動をしていない人が急に運動する場合には、注意が必要です。
体脂肪は、運動し始めてから20分経過してからやっと燃え始めると言われています。
それはなぜかというと、リパーゼという脂肪分解酵素に関係があります。
運動などの刺激によって、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが脳から分泌されます。
それらのホルモンは、リパーゼを活発にしてくれます。
活性化したリパーゼが、脂肪をグリセロールと脂肪酸に分け、それが血中に放出され、筋肉に運ばれ、はじめてエネルギーとして利用されるのです。
そのリパーゼを活性化させてくれるホルモンが分泌されるまでには、20分程度の運動が必要になるのです。
■普段運動しない人が急に激しい運動すると、なぜ良くない?
普段運動していない人が急に激しい運動をすると、カラダがびっくりして、ノルアドレナリンやアドレナリンなどのホルモンが、どっと出てきます。
これらのホルモンは、脂肪分解酵素のリパーゼを刺激するので、脂肪が分解されます。
脂肪細胞の脂肪が急に分解されるので、血液中の脂肪酸の量が増えます。
血液中の脂肪酸は、アルブミンという物質と結合しているのですが、脂肪酸が多すぎると、アルブミンと結合できない脂肪酸が現れてきます。
単独の脂肪酸は、血管の内側を傷つけます。
その傷を治すために、血小板がくっついて血液を固めようとします。
また、血液に出された脂肪酸は、筋肉に運ばれて燃やされるのですが、普段運動しない人は筋肉の脂肪燃焼能力が低下しているので、燃やしきれません。
燃やされなかった脂肪酸は血液に戻されてしまうので、ますます血液中の脂肪酸が増えてしまいます。
つまり、普段運動をしない人が急に運動をすると、血液凝固を誘発し、心臓障害を引き起こす危険性があるのです。
運動する習慣がなかった人が運動を始める場合、まずは軽い運動から始めましょう。
ウォーキングなどの軽い運動から始めて、徐々にカラダを慣らしていくといいと思います。