雲が多い木曜の昼は椅子に座る

雲が多い木曜の昼は椅子に座る

蝉鳴き声も聞こえなくなった夏の日の夜。
少年は家の縁側に座って、スイカを食べていた。
西瓜をかじってはタネを外に吐いていると、ときどき種が遠くまで飛ばず、自分の体に落ちる時もあった。
傍に置いたかとり線香の香りと、うちわで扇ぐ蒸し返す夜、それと西瓜の味。
少年はそんな事を堪能しつつ、明日はどんなことして遊ぼうか、と夜空を見上げた。

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★★