ゆったりと跳ねる妹と僕

ゆったりと跳ねる妹と僕

作家の江國香織の作品に出る主人公は、なんとなくクレイジーである。
例えば、東京タワーの詩史。
あと、きらきらひかるの笑子。
それと、ウエハースの椅子の女性画家など。
江國香織の持ち合わせている性質を、極端にして表現した形なのだろうか。
心からクレイジーだと思うのが、神様のボートの葉子だ。
もしかすると迎えに来るかもしれないあのひとを待ち、高萩や今市に引っ越しをする。
あのひとを忘れないで、必ず会えると思い込んで。
ついには「ママは現実を生きていない」と、娘の草子に告げられるが、葉子には全くピンとこない。
このシーンが、この文庫本の接待的にクレイジーな見せ場だ。
個人的には、ウエハースの椅子には簡単に座れないけれど神様のボートには乗ってもいい。
江國香織さんの書く、クレイジーでも魅力的で頼りない女性たちが大好きだ。

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