リバウンドしてしまう理由・2
■厳しい食事制限でのダイエット
リバウンドする人のほとんどは、厳しい食事制限のダイエットをした人です。
できるだけ早く、短期間にやせたいばっかりに、ほとんど食べないで体重を落とそうとする人は、数多くいるようです。
1日にリンゴ1個だけ、1日にヨーグルト1個だけ、1日にあんぱん1個だけ、などです。
これはものすごく危険です。
まず、一定期間ではあるものの、厳しい食事制限をしてきた人は、ものすごいストレスがたまっているはずです。
どういうストレスかと言うと、「食べたい!」「食べたい!」…というストレスです。
その状態で、
「○kg落ちた!」「やせたって言われた!」
と、ある程度の成果を確認したとたん、緊張の糸が切れてしまいます。
もしくは、
「もういいや!」「つづけられっこないや!」
と、やけっぱちになったときに、緊張の糸が切れてしまいます。
その結果、一気にドカ食いをしてしまうのです。
この場合のドカ食いは、普通の状態でドカ食いをした場合よりも、多くのカロリーを脂肪に溜め込みます。
それはなぜか?
カラダは今まで必要なエネルギーが与えられなかったので、エネルギーが次にいつもらえるのか不安でたまらなくなっています。
そこにドカ食いで久しぶりにエネルギーが与えられました。
すると、カラダはどうするでしょうか?
カラダは、エネルギー不足が不安だったのに、そのエネルギーを無駄使いしてしまうでしょうか?
いいえ、そんなことはしないでしょう。
カラダは、そのエネルギーを積極的に溜め込もうとします。
カラダは、次にいつエネルギーがもらえるのか不安だから、このエネルギーを少しでも残しておこうと溜め込むのです。
もちろん、溜め込むのは体脂肪として、です。
これは、インスリンというものに関係しています。
空腹時に食べ物を食べると、消化が比較的速く行われます。
すると、食べた炭水化物や糖質が血液に流れ、血糖値が急上昇します。
血糖値が急上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンを大量に分泌します。
インスリンは、血糖値を下げる働きをします。
インスリンは、血糖(グルコース)を、他の形に変換させて血液中から追い出すのが仕事なのです。
通常インスリンは、筋肉や肝臓にグリコーゲン(すぐ使えるエネルギー源)として溜め込むことが多いのですが、大量に分泌されたインスリンは、多くの血糖(グルコース)を体脂肪として溜め込むのです。
それと、厳しい食事制限を続けていると、カラダは今まで少ないエネルギーで生活してきていたので、エネルギーのやりくり上手になっています。
つまり、カラダは、エネルギーをあまり使わないことに慣れてしまっているのです。
少ないエネルギーでも、生活できるようになっているのです。
エネルギーを節約して生活するようになっているのです。
つまり、脂肪を燃やしにくいカラダになっているのです。
また、厳しい食事制限での食生活だと、充分な栄養素が摂れないために、栄養失調になります。
ビタミンやミネラルが足りなくなります。
とても危険です。
それと、厳しい食事制限のなかで生活をしていると、少ないエネルギーではどうしてもやりくりできなくなります。
(摂取カロリーが基礎代謝量よりも少なかったり、タンパク質などの栄養素が不足した場合)
そうなるとカラダは、体脂肪や筋肉を分解してエネルギーを生み出します。
脂肪も減りますが、筋肉も減ってしまうのです。
筋肉がやせ細るということが、一番のネックです。
なぜかというと、筋肉の量が多いほど、何もしていない状態に使うエネルギーが多くなるからです。
筋肉の量が多いほど、基礎代謝量が上がるのです。
その筋肉が減ってしまうということは、太りやすい体質になる、ということになります。
筋肉は、減るのはすぐですが、増やすのは大変です。
また、筋肉が少ない状態で体脂肪が増えると、重力に逆らえず、下にたれてしまいます。
筋肉こそが、ボディラインを形作っているのです。
極端なカロリー制限をするのは危険ですし、太りやすいカラダも作ってしまいます。
絶対にやめましょう。